◆ 7月号事務所ニュース

(賞与支払届)
 
 社会保険に加入している事業所は被保険者に賞与を支給した時は、5日以内(船員は10日)に「被保険者賞与支払届」に「被保険者賞与支払届総括表」を添付して年金事務所等(健康保険組合・厚生年金基金)に提出する必要があります。なお、賞与支払予定月に賞の支給がなかった場合にも、「被保険者賞与支払届総括表」を提出する必要があります。
 留意事項
○同月内に2回以上賞与を支給された被保険者はそれらの額を合算し、後の支給日で賞与支払届を提出します。
○標準賞与額が上限(健康保険540万円〔毎年4月1日から翌年3月31日までの累計額〕、厚生年金保険150万円〔1ヵ月〕)を超えた場合でも賞与支払届には実際に支払われた賞与額(1,000円未満切捨て)を記入します。
○資格喪失日の前日(退職日等)までに支払われた賞与は、賞与支払届の提出が必要です。(資格喪失月にかかる賞与は保険料賦課の対象とはなりませんが、年間累計の対象となるため)
○育児休業等による保険料免除期間に支払われた賞与は賞与支払届の提出が必要です。(保険料は免除となりますが、年間累計の対象となるため)
○70歳以上の被用者に賞与を支払った場合は「厚生年金保険70歳以上被用者賞与支払届」も提出します。
○年4回以上支払われる賞与については標準報酬月額の対象となるため賞与支払届を提出する必要はありません。
○年度内(毎年4月1日から翌年3月31日まで)に転職・転勤等があった場合は上限(540万円)を超えるたびに「健康保険標準賞与額累計申出書」の提出が必要ですが、同一の事業所で累計額が上限を超えた場合は自動計算されますので申出は不要です(年度内に転職・転勤等があり被保険者資格の得喪があった場合の標準賞与額累計は保険者単位(協会けんぽ又は各健保組合)で算出するため)。


(労働局が年金機構へ是正指導)

 年金の各種届出の入力業務をめぐり、日本年金機構は、6月15日、派遣期間が最長1年の一般業務に長期間派遣を受け入れていたとして、東京労働局から労働者派遣法違反による是正指導を受けたと発表しました。「大変恥ずかしいこと」(長妻昭厚生労働大臣;閣議後会見)(関連記事『毎日新聞』平成22年6月15日号)。
 厚生労働省と厚生労働大臣から委託を受け公的年金等の管理業務を行う特殊法人との関係でありながら、労働者派遣法の法令違反を指摘されるとは、お粗末な話です。
 労働者派遣法や職業安定法は、まだまだ世の中全体に知れ渡っておらず、「つい、うっかり違反」ということが多いのかもしれません。また、“役所は役所に調査しない”と思われないように、公的機関にも監視の目を光らせていただきたいものです。


(改正不正競争防止法施行)

 改正不正競争防止法が7月1日から施行されました。
 主な改正点は、以下のとおりです。

 @営業秘密侵害罪の目的要件の変更
  「不正の競争の目的」から「不正の利益を得る目的で、又はその保有者に損害を加える目的で」
 A営業秘密の不正取得に対する刑事罰の対象範囲の拡大
  「詐欺等行為又は管理侵害行為による営業秘密の不正な取得について、記録媒体の取得、複製の作成という方法に限定することなく、一般に刑事罰の対象とする。
 B営業秘密の領得行為自体への刑事罰の導入
  営業秘密の管理に係る任務を負う者が、当該任務に背いて営業秘密を領得する行為について、記録媒体の横領、複製の作成等による場合に限り、新たに刑事罰の対象とする。

経済産業省 http://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chiteki/trade-secret.html